高所作業車の導入を検討する際、「どのメーカーを選べばよいのか」と悩む方は少なくありません。
しかし、メーカー名や本体価格だけでは、自社に適した製品を判断することは困難です。作業箇所の高さに加え、屋内・屋外のどちらで使用するのか、搬入経路を通過できるのか、床面や路面に対応できるのかなど、現場条件を確認する必要があります。
また、安全に使い続けるためには、点検・修理や部品供給、安全教育など、導入後のサポート体制も重要です。
本記事では、高所作業車のメーカー・販売会社を選ぶ際に確認したいポイントを解説します。
高所作業車メーカーを選ぶ前に整理しておきたいこと
メーカーや製品を比較する前に、まずは使用する現場の条件を整理しましょう。条件が曖昧なまま製品を探すと、必要以上に大型の機種を選んだり、現場へ搬入できない機種を選んだりする可能性があります。
使用場所と作業内容
最初に確認したいのは、高所作業車をどこで、どのような作業に使用するかです。
例えば、工場や倉庫内の照明交換と、屋外の建設現場や傾斜地での作業では、適した機種が異なります。また、作業箇所の真下に車体を設置できる場合と、配管や設備などの障害物を越えて接近する必要がある場合でも、選ぶべき構造が変わります。
主に以下の条件を整理しておきましょう。
- 屋内・屋外のどちらで使用するか
- 作業箇所の高さはどの程度か
- 作業箇所の真下に車体を設置できるか
- 床面や路面に傾斜、段差、凹凸があるか
- 作業者や工具をどの程度載せるか
- 使用頻度や1回あたりの作業時間はどの程度か
高所作業車の基本的な選定方法については、高所作業車を選ぶ際の3つのポイントでも紹介しています。
高所作業車を選ぶ際の3つのポイント
購入・レンタル・リースを検討する
高所作業車の導入方法には、新車購入、中古車購入、レンタル、リースなどがあります。
短期間の工事や一時的な作業であればレンタル、使用頻度が高く、長期間にわたって使用する場合は購入が適している可能性があります。導入後にカスタマイズしたい場合や、自社で点検・保守計画を立てて長く使用したい場合も、購入が選択肢になります。
導入方法ごとの違いについては、高所作業車を購入するには?をご覧ください。
高所作業車を購入するには?
高所作業車メーカー・販売会社を選ぶ8つのポイント
高所作業車のメーカーや販売会社を比較するときは、製品の性能だけでなく、導入前後の対応まで含めて判断することが重要です。
1.用途に合った製品ラインナップがあるか
高所作業車には、シザース式、マスト式、マストブーム式、ブーム式、スパイダーリフト、傾斜地対応型など、さまざまな種類があります。
作業箇所の真下に車体を設置できる場合は、垂直に昇降するシザース式やマスト式が候補になります。一方、設備や構造物を越えて作業箇所へ接近する場合は、ブーム式やマストブーム式が適しています。
単純な取り扱い機種数ではなく、自社の作業内容や現場条件に合った製品を扱っているかを確認しましょう。
エイハン・ジャパンでは、高所作業車のほか、パーソネルリフト、ローリングタワー、スパイダーリフト、テレハンドラーなどを取り扱っています。
エイハン・ジャパンのラインナップ
S3006P・S3010P 作業範囲図(公式掲載図)
UL-Eシリーズ
2.現場条件に合わせた提案を受けられるか
高所作業車は、カタログ上の作業高さだけで選べる製品ではありません。使用場所までの搬入経路、扉やシャッターの寸法、通路幅、エレベーターの積載荷重、床の耐荷重、保管場所なども確認する必要があります。
特に初めて高所作業車を導入する場合は、自社では見落としやすい条件まで確認してもらえる会社を選ぶことが重要です。
3.導入前に実機デモを実施できるか
製品仕様上は問題がなくても、実際の現場では次のような問題が生じることがあります。
- 搬入口を通過できない
- 通路内で旋回できない
- 作業箇所まで十分に届かない
- 設備や柱に接触する
- スロープや段差を越えられない
- 保管場所に収まらない
こうした導入後のミスマッチを防ぐためには、実機を使用したデモンストレーションが有効です。
実際の使用場所で、搬入から作業、保管場所への移動まで確認できれば、カタログだけでは判断しにくい操作性や作業範囲、安全面を事前に検証できます。
エイハン・ジャパンでは、現場への実機持ち込みを含めたご相談を承っています。
高所作業車のデモンストレーション・導入相談
4.現場に合わせたカスタマイズに対応できるか
工場や倉庫などでは、標準仕様のままでは安全基準や使用条件を満たせない場合があります。
例えば、設備との接触を防ぐためのセンサーやバンパー、可動部へのカバー、警告灯、耐熱・防塵対策などが必要になることがあります。
製品を比較するときは、標準仕様だけでなく、次のようなカスタマイズについて相談できるか確認しましょう。
- 接触防止センサーの追加
- 緩衝材や保護カバーの設置
- 警告灯やブザーの追加
- 動作範囲や走行速度の制御
- 耐熱・防塵対策
- エアホースや電源の追加
精密機器や生産設備がある工場では、作業者の安全だけでなく、周辺設備への接触や損傷を防ぐ対策も重要です。
*カスタマイズ(改造部分)に関しては、製品保証の対象外となります。
詳しくはカスタマイズに関する注意事項をご確認ください。
高所作業車のカスタマイズ
カスタマイズ例:手すりの保護
5.安全教育や資格について相談できるか
高所作業車の運転には、機種の最大作業床高さに応じた教育・講習の修了が必要です。
最大作業床高さが10m未満の機種を運転する場合は特別教育、10m以上の機種を運転する場合は技能講習の修了が必要です。
なお、最大作業床高さが10m以上の機種は、実際には10m未満の高さで使用する場合も技能講習が必要になります。
メーカーや販売会社を比較する際は、次の点も確認しましょう。
- 必要な資格や教育を案内してもらえるか
- 納品時に操作方法を説明してもらえるか
- 日常点検や安全装置について説明してもらえるか
- 特別教育や技能講習について相談できるか
製品を納入するだけでなく、安全な使用方法まで支援できる会社を選ぶことが重要です。
6.点検・修理体制が整っているか
高所作業車は、購入後も定期的な点検と整備が必要です。
始業前点検や月例点検に加え、対象となる高所作業車には、1年を超えない期間ごとに特定自主検査を実施する必要があります。メーカーや販売会社を選ぶ際は、次のような体制を確認しましょう。
- 定期点検を依頼できるか
- 特定自主検査に対応できるか
- 故障時に修理を依頼できるか
- 出張対応が可能か
- 点検記録や整備記録を発行してもらえるか
故障が発生してから依頼先を探すのではなく、導入前に点検・修理の窓口や対応エリアを確認しておくことが重要です。
高所作業車の点検をしていますか?
7.部品供給体制が整っているか
高所作業車を長期間使用するためには、交換部品を安定して入手できることも重要です。
特に海外メーカーの製品を検討する場合は、国内に部品在庫があるか、海外から取り寄せる場合にどの程度の期間がかかるかを確認しておきましょう。
確認したい主な項目は以下のとおりです。
- バッテリーやタイヤなどの消耗部品を調達できるか
- 製造終了後も部品を供給してもらえるか
- 国内に部品在庫があるか
- 旧型機種の修理や部品調達に対応できるか
- サービスマニュアルや技術資料を提供してもらえるか
本体価格が安くても、故障時に部品を調達できなければ、長期間使用できない可能性があります。導入時点だけでなく、数年後の保守まで見据えて確認しましょう。
8.本体価格だけでなく総導入コストを確認できるか
高所作業車の導入にかかる費用は、本体価格だけではありません。
次のような費用も含めて比較する必要があります。
- 運送・搬入費用
- オプションやカスタマイズ費用
- 資格取得や教育にかかる費用
- 定期点検・特定自主検査の費用
- 修理費用
- バッテリーや消耗部品の交換費用
- 保管場所や充電設備の整備費用
見積もりを比較する際は、購入時の初期費用だけでなく、導入後に発生する点検・整備や部品交換を含めた総コストを確認しましょう。
高所作業車の費用は何で決まる?
国内メーカーと海外メーカーはどちらを選ぶべきか
高所作業車を比較するときに、国内メーカーと海外メーカーのどちらがよいか迷うこともあります。
ただし、メーカーの国籍だけで良し悪しを判断することはできません。重要なのは、日本国内で必要なサポートを受けられるかどうかです。
海外メーカーの製品を検討する場合は、次の点を確認しましょう。
- 国内に相談窓口があるか
- 日本語の取扱説明書や技術資料があるか
- 国内で点検や修理を依頼できるか
- 部品を安定して調達できるか
- 日本国内の法令や資格について相談できるか
- 現場でのデモンストレーションに対応できるか
国内の販売・サポート体制が整っていれば、海外メーカーの高所作業車も有力な選択肢になります。国内製・海外製という区分だけでなく、自社の用途に合った製品があるか、導入後も継続的な支援を受けられるかを基準に判断しましょう。
用途別に確認したいメーカー選びのポイント
高所作業車を使用する場所によって、メーカーや販売会社に確認すべきポイントは変わります。
工場・倉庫で使用する場合
工場や倉庫では、通路幅や扉の寸法、床への影響、排気、騒音などを確認します。
屋内で使用する場合は、バッテリー式の高所作業車が選ばれることが多く、床面を汚しにくいノンマーキングタイヤが必要になるケースもあります。
また、生産設備や配管、ダクトなどとの接触を防ぐため、センサーや緩衝材などのカスタマイズが必要になる場合もあります。
建設現場や屋外で使用する場合
屋外や建設現場では、路面や地盤の状態、登坂性能、不整地走行性能などが重要です。
舗装されていない現場では、ホイール式では十分に走行できない可能性があります。タイヤの種類や駆動方式、クローラー式の取り扱いがあるかを確認しましょう。
また、風や降雨など、屋外特有の使用制限についても事前に確認する必要があります。
狭い場所や障害物が多い場合
狭い通路や設備が密集した場所では、車体の全幅だけでなく、旋回半径やブームの張り出し、作業床の動きも確認します。
作業場所まで進入できても、その場で旋回や昇降ができなければ使用できません。
狭所で使用する場合は、コンパクトなマスト式やマストブーム式、スパイダーリフトなども候補になります。
傾斜地や段差がある場合
傾斜地やスロープ、段差がある場所では、通常の高所作業車が使用できない場合があります。
メーカーや販売会社に、使用予定場所の勾配や路面状況を伝え、対応可能な機種があるか確認しましょう。
傾斜角度や走行性能だけで判断せず、実際の現場でデモンストレーションを実施することも重要です。
高所作業車のメーカー選びでよくある失敗
価格だけで決めてしまう
本体価格が安くても、運送費や修理費、部品調達費、点検費用が高くなる場合があります。
長期間使用する場合は、購入価格だけでなく、維持管理まで含めた総コストを比較しましょう。
作業高さだけで機種を選んでしまう
必要な高さに届く製品であっても、搬入できない、障害物を越えられない、必要な人数や工具を載せられないといった問題が起こる可能性があります。
高さは重要な条件ですが、それだけで機種を決めないようにしましょう。
実機を確認せずに購入してしまう
カタログだけでは、操作性や周辺設備との距離、旋回スペースなどを十分に判断できません。
特に搬入経路が狭い現場や、設備が密集している現場、傾斜地では、実機デモによる確認が有効です。
購入後の点検・修理体制を確認していない
高所作業車は、購入後も点検や修理、部品交換が必要です。
故障が発生してから修理先を探すのではなく、導入前に点検・修理の依頼先や対応エリアを確認しておきましょう。
高所作業車メーカーは導入後のサポートまで含めて選ぶ
高所作業車のメーカー・販売会社を選ぶ際は、製品の知名度や本体価格だけで判断するのではなく、現場に適した提案を受けられるか、導入後も安全に使用できる体制が整っているかを確認することが重要です。
エイハン・ジャパンでは、豊富な製品ラインナップからの機種選定、現場でのデモンストレーション、カスタマイズ、導入後の点検・修理まで対応しています。
使用する場所や必要な高さが明確になっていない段階でもご相談いただけます。現場条件を確認し、適した高所作業車や導入方法をご提案します。
高所作業車の選定・導入についてご相談ください
「どの機種が現場に適しているか分からない」「搬入できるか実機で確認したい」「既製品のままでは安全基準を満たせない」といった場合も、お気軽にお問い合わせください。
高所作業車の選定・導入について相談する
高所作業車メーカーに関するよくある質問
Q. 高所作業車は、製品数が多いメーカーを選ぶべきですか?
製品数だけでなく、自社の現場に適した種類を扱っているかを確認することが重要です。また、現場確認やデモンストレーション、点検、修理まで対応できるかも比較しましょう。
Q. 国内メーカーと海外メーカーはどちらが安心ですか?
メーカーの国籍だけでは判断できません。海外メーカーでも、日本国内の相談窓口、修理体制、部品供給、日本語資料などが整っていれば、導入後も安心して使用できます。
Q. 高所作業車は購入前にデモを実施できますか?
メーカーや販売会社によっては、実際の使用場所へ機種を持ち込んでデモを実施できます。搬入経路が狭い現場や、障害物・傾斜がある現場では、事前に実機で確認することをおすすめします。
Q. 10m未満の高所作業車であれば、資格なしで運転できますか?
いいえ。最大作業床高さが10m未満の機種を運転する場合も、特別教育の修了が必要です。10m以上の機種を運転する場合は、技能講習を修了する必要があります。
Q. 高所作業車の購入後にはどのような点検が必要ですか?
始業前点検や月例点検のほか、対象となる高所作業車には年次の特定自主検査が必要です。購入前に、点検や修理を依頼できる会社があるか確認しておきましょう。
まずはお気軽にお問い合わせください
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