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日本貨物航空株式会社様

日本貨物航空株式会社様

2009年6月、成田国際空港内に環境重視型ライン整備ハンガーの供用を開始した日本貨物航空株式会社(以下、NCA)では、安全と作業性のアップのために導入した高所作業車に改造を加えた。
導入した高所作業車とその改造について、整備本部整備計画部生産管理チーム調査役石畠明己氏に詳しく伺いました。

日本貨物航空株式会社様

日本貨物航空株式会社の業態~貨物輸送専業の航空会社

日本貨物航空についてご紹介ください

日本貨物航空株式会社は、1978年に設立された国内唯一の貨物輸送専業の航空会社です。

本社およびライン整備ハンガーは成田空港内にあり、成田始め国内に3事業所、北米・欧州・アジア地域に15事業所を有しています。

運航機材として、ボーイング747-400型を8機運航し、2009年6月8日環境に配慮した「エコハンガー」の供用を開始しました。

※ハンガー(Hangar)とは
航空機を風雨や砂塵などから守り、中で整備や補給、待機などを行う格納施設のこと。
語源は「家畜小屋」を意味するフランス北部地方の方言

上:整備ハンガー外観 下:ハンガー内部

上:整備ハンガー外観 下:ハンガー内部

運送する荷物にはどのようなものがありますか

お預かりする航空貨物にはさまざまありますが、チャーター便で一例を挙げますと、モトクロスグランプリのバイクを転戦する各国の都市に運ぶこともありますし、F1車輌を各国に運ぶこともあります。また競走馬を運ぶこともあります。

大きいものでは、ステッパーという半導体製造装置を運ぶこともあります。
その装置は最新のものでは数十億円の規模だそうです。
定温定湿でなければならないため、空調設備が備わった専用コンテナーで搬送されます。

(左)操縦席の計器群 (中)貨物室内部 (右)ノーズカーゴドアがある機体前部

(左)操縦席の計器群 (中)貨物室内部 (右)ノーズカーゴドアがある機体前部

導入した高所作業車~主に翼の下側の整備に活用

導入した高所作業車について教えてください

X26N」と「MX19」という大きさの違う機種を1台ずつ購入しました。
主に主翼の下側の整備に使用しています。
作業場所のスペース、高さに合わせて2台を使い分けています。

※X26N 仕様
 全幅:0.83m 全高:2.12m 全長:2.35m
 重量:2,358kg
 最大作業高:9.9m
 積載荷重:340kg
 特長:最大作業高11.7mく

※MX19 仕様
 全幅:0.76m 全高:2.15m 全長:1.75m
 重量:1,460kg
 最大作業高:7.8m
 積載荷重:227kg
 特長:幅76cmのスリムサイズ

X26N(上)とMX19(下)

X26N(上)とMX19(下)

X型を選んだ理由は何ですか

たたんだ状態ではコンパクトなのに、高い場所までアクセスできること。
snorker製品は他の機種でもそうですが、上昇させたまま移動できる点も気に入りました。

最も重視したのは「安全性」、次に「使い勝手」

導入の経緯について教えてください

ハンガー新設についての全体での検討の前に実際に使う立場である現場のメンバーに必要な機材を挙げてもらいました。そのリストの中に高所作業車があり導入を決めました。

選定の要件はどういうものですか

要件としては次の3点です。

1、安全性

なによりも安全に作業できることが第一です。

2、性能と使い勝手

snorkelの高所作業車はもともと充分な剛性感がありました。
  それをよりNCAの作業に合わせた安全性や作業効率の向上の為に改造を加えることが可能かどうか。
  可能な場合、そのコストが高額でないことです。

3、その他コスト面

導入コスト、ランニングコスト、それとアフターサービスなども重要な検討事項です。

上記3点を元に、他の航空会社で実際に使用している高所作業車を見学させていただいたり、作業者の要望の中に挙がったメーカーや機種も参考に3社に見積を依頼しました。

2番目の改造に関して、打診段階ではどの会社も「ご要望に合わせてカスタマイズします」と言っていただけるのですが、実際の見積では要望額よりも高価でした。
その点snorkel社の価格はリーズナブルで内容的にも我々の要望を満たしていると思いました。
そして、動力が電池であることも我が社の環境方針にマッチしていました。

工場に出向いて改造内容を依頼

改造内容について教えてください

1、ぶつかり防止センサーの取り付け(写真※1)

センサーは、高所作業車を操作する作業者からいちばん見えにくい場所に取り付けました。

2、手すりと床の角へのクッションの取り付け(写真※2)

手すりは飛行機にいちばん接近する場所です。
狭い場所に入っていくことも多く、飛行機も大きいので揺れることがあります。

(左から) ※3:パトランプ、※4:エアホース、(右上から)※2:クッション、※1:センサー

(左から) ※3:パトランプ、※4:エアホース、
(右上から)※2:クッション、※1:センサー

万が一、接触することがあっても飛行機にダメージがないように最上部の手すりと床の角にクッション材を取り付けました。

3、パトランプの取り付け(写真※3)

この高所作業車の長所は乗ったまま移動できることですが、操作者からは死角ができます。
動いていることを周囲の作業者に知らせる為、スイッチオンの時に点灯するライトを取り付けました。

4、エアホースの取り付け(写真※4)

空気の力でドライバーやドリルを回すためのエアホースですが、使用の都度、下から伸ばしてくるのではそのホースが作業や移動のじゃまになります。そこで、エアホースをシザースの中に組み込んでもらいました。

上部手すりのクッション、エアホース

(左から)センサー、角に取り付けたクッション、上部手すりのクッション、エアホース

改造の指示はどのようにしましたか

現場で高所作業車を使う作業者が、snorkel社の工場に行き、現物を操作しながら具体的な改造点の依頼をしました。購入した2台共、改造の仕様は同じです。

高所作業車の評価

実際に作業されている二宮さんにお聞きします。導入から1ヶ月半ですが今の時点での評価を聞かせてください

評価するところは4点あります。

1、ジョイステックでのスピード操作が感覚的にできること

飛行機に近づく時はゆっくりと近づいていくことが必要なのですが、ジョイステックの傾け加減によってスピードの微妙な調整ができるので便利です。

整備本部整備チーム1グループ 二宮由樹氏(航空機整備全般担当

「重宝しています」
整備本部整備チーム1グループ
二宮由樹氏(航空機整備全般担当)

2、コンパクトで小回りが効くこと

タイヤのステアリングが180度動くので小回りが効きますし、角度をかえるときには切り返しなしで自在にできます。
  コンパクトなので他の作業車では入っていけないような狭いところでも入ることができます。

3、高所に上昇したままで移動ができること

他の高所作業車の場合、アウトリガーを使用していることが多いので、作業場所が固定され、移動するときは一旦下に降りて、アウトリガーを外し、動いた場所で再度設置することが必要ですが、その手間がないので作業効率が向上しました。

4、張り出しが出せること

障害物があって作業車自体はそれ以上接近することができなくても、張り出しを出すことでもっと先の場所の作業ができるところも助かっています。

30%のCO2削減効果が見込まれるエコハンガー

6月に供用を開始したハンガーについて教えてください

大きさは、奥行90m、幅84m、高さ27.6mです。飛行機の高さは20m弱ですから、ハンガーはジャンボ機一機が入る大きさです。
このハンガーの最大の特徴は、環境保全を第一に考えた「エコハンガー」であるということです。
以下6点の工夫により、30%のCO2の削減を見込んでいます。

1、ライトウォール

透過性に優れたポリカーボネートを壁面に用いることにより、ハンガー内へ自然光を効果的に取り入れています。明るさを確保し照明の削減で年間87トンのCO2削減が見込まれます。ライトウォールの全面的な採用はハンガーでは国内初です。

2、トップライト

屋根に設置して自然光を取り入れ明るさを確保しています。年間72トンのCO2削減を見込んでいます。

3、太陽熱温水システム

給湯用電力やガス使用料を削減します。年間5.7トンのCO2削減が見込まれます。

4、屋上緑化

屋上緑化により建物自体を涼しくして空調負荷を軽減します。年間2トンのCO2削減を見込んでいます。

5、バランス式自然換気窓

風の圧力差(風力換気)と温度差(重力換気)によって窓が自然に開閉する構造になっています。熱い空気は外に抜け、飛行機の下の方から冷たい空気が入って自然に換気する窓でこれは国内初です。年間16トンのCO2削減を見込んでいます。

6、雨水の利用

広い屋根に雨水を受けて地下タンクに貯水しています。飛行機の水洗やトイレの洗浄に使い、水道水を節約しています。

今日はくもりですが、それでも充分に明るいですね

明るいですね。当初の予想以上の明るさです。

NCA貨物機は旅客機と違って、夜飛行して朝戻るので主に昼間に整備ができます。
夜間整備が少ない分照明の節約はできるのですが、日中も充分な明るさが確保できるので照明は本当に少なくてすみます。

最初は半透明のポリカーボネート壁は、ハンガー内が温室のようになって暑いのではないかと考えましたが、二重構造になっておりポリカーボネート壁の中に空気が溜まるのと、バランス式自然換気窓で、それほど温度は上がらないんですね。

飛行機自体のエコでは、来年度「747-8F」という環境対応型の飛行機を導入予定です。
この飛行機は、従来機に比べ数%から10%の燃費削減が見込まれ、その分CO2の排出が少なくなります。エンジンそのものの改善はもとより、主翼の形状もより空気抵抗が少ないものになっています。

従来の747型はどのくらいの燃料を必要とするのでしょうか

主翼の中の燃料タンクに最大約145トン約19万リットル入ります。その10%ですから少なくない数字です。

航空機の整備について

実際に作業されている二宮さんにお聞きします。

導入から1ヶ月半ですが今の時点での評価を聞かせてください

評価するところは4点あります。

1、ジョイステックでのスピード操作が感覚的にできること

飛行機に近づく時はゆっくりと近づいていくことが必要なのですが、ジョイステックの傾け加減によってスピードの微妙な調整ができるので便利です。

2、コンパクトで小回りが効くこと

タイヤのステアリングが180度動くので小回りが効きますし、角度をかえるときには切り返しなしで自在にできます。コンパクトなので他の作業車では入っていけないような狭いところでも入ることができます。

(上)ゴンドラクレーン、(下)高所作業車での整備

(上)ゴンドラクレーン
(下)高所作業車での整備

今後の期待

snorkel社に今後期待することがあったらお聞かせください

導入当初はsnorkel製の高所作業車を使用したことのない作業者もいましたが、使ってみたら評判が良く、現在は大いに活用されています。

まだ導入から2ヶ月半なので、使いこなすところまで行っていないかもしれませんが、アフターサービス含めてsnorkel社に期待していますので、今後ともよろしくお願いします。

※ 日本貨物航空株式会社のWebサイト

お忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。

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